マンガ字

最近はほとんど騒がれなくなりましたが,一時「マンガ文字」の蔓延を憂える記事やニュースが多くありました。最近はマンガ文字がなくなったというのではなく,さらに充実発展しているような気がしてなりません。
私たち教員も,かつては,ほとんどの教材を「手書き」で作っていましたが,今や,PCで作成すれば拡大も縮小も思いのまま,それなりに体制の整ったものができる時代となりました。
この秋,私は3つの授業研究会を参観しました。
水戸市立G小学校,石岡市立F小学校,小美玉市立O小学校です。
それぞれ,文部科学省委嘱研究,学校独自の研究,市教研指定研究と違いはありますが,先生方が工夫を凝らしてよい授業が展開されていました。
しかし,どの授業においても,「手書き」の少なさには問題あり,と思わざるを得ないものがありました。

まず,授業のはじめに提示する課題(課題を提示しない授業もありましたが・・・)がワープロ文字で,教師は貼るだけ。児童はそれをノートに写します。
ワープロ文字には,明朝体,ゴシック体に加えて,最近はホップ体もよく見るようになりました。
明朝体は活字の基本形です。ゴシックは強調する基本形です。ホップ体は,目に飛び込んでくる太さと,楽しくうきうきするような雰囲気をもっています。
ここで,注意しなければならないことは,これらは「活字」であるということです。
この3つの活字体の中で,最も書写体に近いものは「明朝体」です。これは,中国唐時代の書家「顔真卿(がんしんけい)」の楷書体をもとにして作られたものです。正方形の枠いっぱいに,横線を細く縦線を太く書くのが特徴で,小さく書いても大きく見えることから活字体に採用されたのです。
さて,活字体では書写体と形の違う点がいくつかあります。

「迎」は,しんにょうの形が違います。活字体では「うへ」となっています。
「持」は,旁の寺が違います。寺は上から二本目の横線を最も長く書くのです。(三本目を長くしても間違いではありませんが・・・)
「読」は,「ごんべん」に問題があります。短い横線を四本引いて口を書く形になってしまっています。最初は点であり,次の横線を左に張り出して長く書くのが書写体なのです。
「み」のホップ体は,悪い書き方の典型を示したような活字です。「み」はもとは「美」です。「み」の最初の横線は「美」の上部の点二つですから,左に寄らずに真中の上部に書くのがよいのです。

大人になれば,活字と書写体を無意識のうちに分けられますが,学校教育では段階を追って慣れさせていくという観点から,小学校の教科書は「書写体」で印刷されています。中学校の教科書は「明朝体」になります。
本校の先生方は,手書きが多いですね。とてもよいことだと思います。それは,書いた人の息づかいが聞こえるようだからです。形はあまりよくなくてもいいのです。そこには思いがあります。活字は整ってはいても,温かみとか勢いはありません。あくまで冷徹です。思いが籠められないのです。
黒板に書く文字,貼る文字は,できるだけ手書きにしたいものだという思いを強くした3つの参観でした。
[PR]
by tan230 | 2007-11-19 12:20 | 教育
<< 数値に惑う人々 「バカの壁」の壁 >>